« 歌い継がれる「翼をください」 | トップページ | ひとりぼっちのあいつのコーラス »

2009年5月 2日 (土)

千鳥橋渋滞 GOOD-BY,MY GOOD DAYS

高校生のころ、日本のビートルズという前評判と綺麗なレコードジャケットにつられて、チューリップのデビューアルバム「魔法の黄色い靴」を買った。

30センチLPのアルバムにはポスターと大きな壁新聞みたいなのが挟んであって、メンバー自筆の紹介文や、なんと石川鷹彦、つのだひろ、加藤和彦、星加ルミ子などなど、当時のすごいお歴々がコメントを寄せている。曲も音作りも確かにそれまでにない新しい存在を感じたが、それでもなんとなく財津和夫のボーカルは常に演出が入っていて、聴く側からすれば少しだけ距離を感じたものだ。

そんな中でただ一曲、なんとも言いようのない世界に出会ったような気になったのが、「千鳥橋渋滞」。

クレジットでは(作詞・安部俊幸 作曲・姫野達也)になっているが、明らかに姫野がピアノではなくギターで作った曲だ。こういう発想はギターでしかできないと思う。ボーカルも姫野。

「骨の折れた傘さして/水たまりをよけながら」ここはEからF#mへの上り。「あれは馬鹿げた夢/あれは淋しいうそ」ここはAからG#mとF#mへの下り。そして、最後までこの繰り返し。B7は出てこない。

さらに、ここは自己解釈なんだけど、6弦Eと、2弦B、1弦Eはずっと開放。つまり、セーハしない。コードパターンで押さえるのは5弦から3弦までの3本だけ。まるでオープンチューニングみたいな響きがさわやかに遠くまで続く。だから逆に、この曲はEキーでしか弾けないはずだ。

もちろん、安部と姫野がそう弾いているかどうかはわからない。でも、自分で弾くならそうする。そのほうがこの曲の良さが生きると思う。バンドの時はベースにルートを支えてもらえばいい。ソロだったら、6弦は親指で行くか、やっぱり開放のままか、気分しだいだね。Eが下でずっと鳴っていても、別に違和感ないし。

それにしても、最後の「髪を切ってしまおう」がせつない。あの頃、自分にとっても髪を伸ばすことは音楽をやっているという自己表現だった。

アルバムにも、レコードにも、「千鳥橋渋滞」の文字はない。Side Oneの3曲目は「GOOD-BY,MY GOOD DAYS」。確かに、これは、わかる。

オリジナルでは後の方でコーラびん吹きまで入って(これはコーラスというしゃれらしいが)、これまた何とも言いようがない。他の曲とはまったくスケールの違う曲作りで、いまだに忘れられない、弾き続けていられる名曲。2、3曲しかチューリップを知らない人にはぜひお勧め。

« 歌い継がれる「翼をください」 | トップページ | ひとりぼっちのあいつのコーラス »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 千鳥橋渋滞 GOOD-BY,MY GOOD DAYS:

« 歌い継がれる「翼をください」 | トップページ | ひとりぼっちのあいつのコーラス »