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2009年12月 6日 (日)

その場で借りた楽器はなぜ挽き肉か

 もちろん、題名は「~なぜ弾きにくいか」である。
 ごくまれに、こちらの素性をご存知のかたから、ちょっと弾いてみてとお持ちのギターを出されることがある。ありがたいことではあるが、これがほとんどの場合、弾きにくい。同じ感覚をお持ちの同業者さんも多いはずだ。
 ギターがわるいのではない。すごく高そうな、いいギターのことも多いのだ。でも、いきなり弾いてもしっくりこないから、ちょっとと言われる間のうちには、うまくいかない。
 そういうものだとずっと思っていたが、でも改めてなぜだろうと考えてみた。これは楽器の種類によるのではないか。例えばギターなら、弦のゲージが自分のものと同じことはほとんどないから、張りの強さは違う。ネックの厚みや幅が違えば左手はオロオロするだけだ。ボディの形が違えばブリッジの位置も変わるし、厚みが違えば自分と弦の距離が変わる。そもそも重さが違えば抱えるバランスも違う。だから、いつもフェンダーのストラトを弾いている感覚では、同じギターだからと言ってモーリスのフォークは思ったようには弾けない。いつもと違う自転車に乗った瞬間に感じる違和感のようなものではないか。
 でも、楽器の種類による、というのはつまり、弦楽器はたぶんみんなそうだし、管楽器なんかは尚更そうだろうと思うけど、鍵盤はそうでもないんじゃないかと思うからだ。事実、楽器屋さんで壁に下がっているギターはみんな微妙に違うと思っているから別に弾かせてもらう気にならないけど、シンセなんかのキーボード類は、ほとんど同じ感覚で弾けて音が全然違うという世界に思える。違うとすれば、叩くピアノ系と、押さえるオルガン系の違いぐらいか。でもそれを言い出すと、キータッチはみんな違うけど。
 ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんは、オレはピアノそのものには別に愛着はない、というようなことをどこかで書いていた。弦楽器やサンや、管楽器やサンが自分の楽器を大事にして一心同体という感じで演奏するのに比べ、ピアノやサンは行った先でコレですと言われたピアノを弾くしかないからだということだ。わかる。

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