« 成毛滋のメリー・ジェーン | トップページ | 山奥のハワイアンバンド »

2013年7月28日 (日)

コンサート・フォー・ジョージ

イギリスでは、ジョージ・アレクサンダー・ルイ王子ご誕生でお祭り騒ぎのようだ。でも、ジョージと言われると…

ジョージ・オーウェルなら1984年。ジョージ・ブッシュなら湾岸戦争。ジョージ・ルーカスならスター・ウォーズ。日本人ならアイ・ジョージ、柳ジョージ、所ジョージ。漢字でよければ山本譲二。何が言いたいの、と言われる前に、やっぱりジョージと言えば(いや、ジョージと言っただけで)、ジョージ・ハリスン。

2002年11月29日、ちょうど1年後のアニバーサリーとしてロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで「コンサート・フォー・ジョージ」が開催された。実行委員長は、もちろんエリック・クラプトン。探せば画像も動画もいくらでもあるし、ちゃんとした公式サイトもある。 全てを収めたDVDも作られている。
http://www.concertforgeorge.com/

ここに揃った顔ぶれが素晴らしい。まるでアルバム「オール・シングズ・マスト・パス」のパーソネルそのまま。いや、まるで「バングラデシュ・コンサート」とでも言うべきか。第一部はジョージの師、ラヴィ・シャンカールのお嬢さん、アヌーシュカ・シャンカールのシタールで厳かに始まる。それにしてもシタールというのは不思議な楽器だ。あのフレット幅の並びは理解を超える。

第二部が本編。ギターにはエリック・クラプトンはもちろん、エレクトリック・ライト・オーケストラのジェフ・リン。トム・ペティはハートブレイカーズまるごと。ボトルネックのフレーズはマーク・マン、渋くバックを支えるアンディ・フェアウェザー・ロウ、アルバート・リー、ジョー・ブラウンもいる。

キーボードには5人めのビートル、ビリー・プレストン。プロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカー。ベースはクラウス・ブアマン。ドラムスはジム・ケルトナーとジム・キャパルディ、ヘンリー・スピネッティ。サックスにはジム・ホーンとトム・スコット。狂気に近いパーカッション類は、レイ・クーパー。

そして父親のギターを一生懸命に弾き、コーラスでハモる、ダーニ・ハリスン。エリックに紹介されて出てくるリンゴ。リンゴに呼ばれて出てくるポール。ダーニは本当にジョージそっくりだ。「まるでジョージだけが若くて、まわりのみんなが年取ったみたい」と、ダーニの母オリビアが言ったというのも頷ける。ステージ奥には、かつてのフィル・スペクター・サウンドを再現させるロンドン・メトロポリタン・オーケストラ。

選曲も素晴らしいし、演奏も素晴らしい。ちょっと変わった観点から面白いのは、不揃いとマジ揃いの対比。不揃いはギタリスト達だ。これだけいると、並んで弾いていても握りのコードポジションはみんな違うし、曲によってはカポ位置まで違う。オリジナルに忠実にとは言え、それぞれ自分に弾き易い場所で弾いているのがよく判る。一方のマジ揃いはドラマー達だ。後半のリンゴも入れてステージには4人揃ったが、スティック捌きまで全員ぴったり合っている。フィルインの箇所なんか見事だ。これはどういうことなのか、よくわからない。こんなすごいメンバーのバンドでそう何度もリハーサルできる日程はないだろうに、素晴らしい。そう言えば、女声コーラス二人の肩の振り方、腕の振り方もぴったり合っている。そういうものか。

日本だったら、しめやかに一周忌とかになるところだが、ジョージはいい曲をたくさん残したし、いい友達にも恵まれた、ということなんだろうと思う。ダーニのお開きの挨拶が、Thank you All, Thank you very much, He loves you.  こんなことが実際に起きていたんだから、音楽って素晴らしい。

« 成毛滋のメリー・ジェーン | トップページ | 山奥のハワイアンバンド »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/585865/57881229

この記事へのトラックバック一覧です: コンサート・フォー・ジョージ:

« 成毛滋のメリー・ジェーン | トップページ | 山奥のハワイアンバンド »